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偽ブランド品・コピー品の購入は違法? フリマで売ったらどうなる?

2023年10月31日
  • 財産事件
  • 偽ブランド品
  • 購入
偽ブランド品・コピー品の購入は違法? フリマで売ったらどうなる?

財務省が公表する「令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」によると、偽ブランド品などの商標権侵害物品25705件を輸入差し止めされたことが判明しています。いわゆるブランドやキャラクターなどのコピー品は、インターネットショッピングサイトやフリマサイトなどで目にすることがあります。正規のブランド品は高額で手が出せないため、偽ブランド品であると知っていても、購入してしまう方がいるかもしれません。

偽ブランド品を販売する行為が違法であることはなんとなくご存じの方は多いでしょう。では、偽ブランド品を購入することも何か罪に問われるのでしょうか。本コラムでは、偽ブランド品を購入するとどのような罪に問われるのかについて、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスの弁護士が解説します。

1、偽ブランド品を購入すると罪に問われる?

偽ブランド品を購入することは何か罪に問われることはあるのでしょうか。偽ブランド品を取り締まる法律としては、商標法が関係してきますので、商標法の概要も含めて説明します。

  1. (1)商標法とは

    商標法とは、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護すること」を目的とする法律です(商標法1条)。

    商標法で保護の対象となる商標とは、「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音」等です(商標法2条)。たとえば、ブランドのロゴなどが商標の代表的な例です。そのため、偽ブランド品を製造販売することは、ブランドのロゴといった商標を無断で使用することになりますので、商標法の違反となる可能性がでてきます。

  2. (2)個人的な使用目的で個人輸入しても税関で没収される

    これまで、商標法では、偽ブランド品を製造したり販売したりすることは禁止されていますが、個人の使用目的で輸入すること自体は、禁止されていませんでした。なぜなら、商標法では、「業として」商品を生産し、証明し、または譲渡する者がその商品について使用するものを「商標」と定義しているためです(商標法2条1号)。つまり、個人的に偽ブランド品を使用することは「業として」行うものとはいえませんので、商標法の規制対象外となります。したがって、偽ブランド品を購入したとしても、原則として罪に問われることはないと考えられていたのです。

    しかし、令和4年10月1日以降は、偽ブランドなどの模倣品であれば、個人使用目的であっても受け取れなくなります。冒頭で述べたとおり、海外から運ばれた商品が税関で調査された結果、偽ブランド品・コピー品であると判断されたら、没収される運用となったためです。

    日本語のサイトで販売されていても、発送元は海外であることはよくあります。たとえ税関で没収されても返金されないので注意が必要です。もし、あなたが頻繁に模造品を購入し使用してから、フリマアプリなどを用いて販売していた場合は事業性があると判断されて罪に問われる可能性があります

2、偽ブランド品を購入し、販売するとどうなる?

偽ブランド品は個人輸入できなくなりましたが、過去に購入した偽ブランド品を販売した場合はどうなるのでしょうか。

  1. (1)偽ブランド品を販売する行為

    偽ブランド品であることを知りながら販売をする行為は、他人の商標を侵害する行為ですので、商標法違反となります。偽ブランド品を販売した場合には、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金または両方が科される可能性があります(商標法78条)。

    さらに、偽ブランド品であることを秘して販売した場合には、購入者をだまして販売し、商品代金という利益を得ていることになりますので、刑法上の詐欺罪となる可能性もあります(刑法246条1項)。詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役と規定されています。

    最近では、フリマサイトやオークションサイトなどで個人でも気軽に不要となった物品を売買することが可能になっています。偽ブランド品やコピー商品であることを知りながら、そのようなサイトに出品することは、上記のような重い刑罰が科される可能性がありますので十分に注意しましょう

  2. (2)販売目的で偽ブランド品を所持する行為

    個人的な使用目的で偽ブランド品を所持する行為は、商標法違反とはなりません。しかし、販売目的で偽ブランド品を所持する行為は、「譲渡、引渡しまたは輸出のために所持する行為」(商標法37条2号)に該当し、商標権侵害行為とみなされます。

    自己使用目的と販売目的との区別は、行為者の主観であるため判断が難しいところですが、購入した偽ブランド品の数、購入回数、販売実績の有無などの客観的事情から判断されることになります

    販売目的で偽ブランド品を所持した場合には、5年以下の懲役か500万円以下の罰金または両方が科される可能性があります(商標法78条の2)。

3、偽ブランド品を購入し、質屋などに売却した場合は?

偽ブランド品を購入し、第三者への販売ではなく質屋に売却した場合にはどのような罪に問われるのでしょうか。

  1. (1)質屋では買い取りを断られることが多い

    偽ブランド品であることを伝えて買い取りを求めたとしても、質屋は買い取りを断るのが通常です。上記のとおり、偽ブランド品を販売する行為は、商標法違反や詐欺罪に問われる可能性があるため、偽ブランド品であることを知りながら買い取ることは通常ありえないからです。

    では、偽ブランド品であることを隠して買い取りを求めた場合はどうでしょうか。近年、精巧な偽ブランド品も多数横行していますので、ブランド商品の買い取りを求められた質屋としては、本物かどうかを見極めるための鑑定を念入りに行っています。そのため、偽ブランド品を質屋に売却しようとしたとしても、「取り扱いできません」と言われ断られてしまうことが多いでしょう。

    このように、一般的には、質屋で偽ブランド品を売却することは難しいといえます。もっとも、偽ブランド品であることを隠して質屋に買い取りを求める行為は、質屋をだまして本物のブランド品として買い取りを求める行為ですので、詐欺罪の実行行為が認められます。そのため、実際に買い取りに至らなかったとしても、詐欺未遂罪が成立する可能性がありますので十分に気を付けましょう

  2. (2)質屋に売却できた場合には、販売と同様の刑罰が科される

    偽ブランド品が精巧な作りであり、質屋の鑑定でも偽物であることが判明しなかった場合には、買い取りに至ってしまうこともあります。

    そのような場合には、偽ブランド品を販売した場合と同様に、商標法78条の商標権侵害罪、商標法78条の2の商標権みなし侵害罪、詐欺罪の罪に問われる可能性があります

4、販売目的などで偽ブランドを購入して逮捕された場合の流れ

販売目的で偽ブランド品を購入してしまった場合には、商標法違反の疑いで逮捕される可能性があります。以下では、逮捕された場合の一般的な流れについて説明します。

  1. (1)逮捕

    偽ブランド品に関する犯罪は、商標権者からの告訴や偽ブランド品を購入した被害者からの被害届によって事件が発覚することが多いです。

    商標法違反の疑いを抱いた警察としては、偽ブランド品を保管していると思われる被疑者の自宅を捜索し、事件に関係する物品などの差し押さえがなされます。被疑者に対しては、その場で任意同行を求められることもありますが、偽ブランド品を処分するおそれがあるとして逮捕される可能性もあります。

    警察に逮捕された場合には、警察署の留置場に身柄が拘束されます。この場合には、身柄拘束から48時間以内に事件と身柄が検察に送致されることになります。

  2. (2)勾留

    警察から送致を受けた検察官は、24時間以内に身柄を解放して在宅で捜査を進めるのか、身柄拘束を継続したまま捜査を進めるのかを判断します。身柄拘束を継続するとの判断をした場合には、勾留請求を行い、勾留が認められた場合には、そこから10日間身柄拘束が続きます。勾留は、延長請求が認められていますので、勾留が延長された場合には、さらに最大10日間身柄拘束が継続することになります。

    検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、被疑者を起訴するかどうかを判断します。被疑者を起訴した場合には、刑事裁判において商標法違反や詐欺罪などで裁かれることになります。

5、まとめ

偽ブランド品に対する規制が強まり、たとえ個人使用目的であっても輸入は禁止され、没収の対象となります。さらに、たとえ過去に購入したものであっても偽ブランド品を販売した場合には、商標法違反や詐欺罪などの罪に問われる可能性があることを忘れてはなりません。

偽ブランド品やコピー品をフリマサイトなどに出品していたら警察から問い合わせの連絡がきた、出頭を要請された、などの事態に陥ってしまったら、まずは弁護士に相談して対応を検討する必要があります。その際には、刑事事件についての知見が豊富なベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスがお力になります。お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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