公然わいせつで後日逮捕される可能性は? 逮捕までの経緯とその後はどうなる?

2018年09月21日
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公然わいせつで後日逮捕される可能性は? 逮捕までの経緯とその後はどうなる?

サラリーマンにとって会社の飲み会は、定期的なイベントのひとつです。サラリーマンが会社の飲み会で泥酔してしまい、家に帰る途中の路上で全裸になって寝てしまった場合、公然わいせつ罪に該当してしまうのでしょうか?

このような経験があると、家に帰った後で、「もしかしたら逮捕されるかもしれない」と不安になるかもしれません。そこで、今回は、後日逮捕されるかどうか心配な方に向けて、公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性や逮捕後の流れなどを、宇都宮オフィスの弁護士が解説します。

1、公然わいせつ罪とは?

公然わいせつ罪は性犯罪のひとつで、刑法第174条に規定されています。条文では「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と記載されています。

「公然とわいせつな行為をした者」というのは、不特定および多数の方の目につく可能性がある場所で自慰や性交、露出行為をした者という意味です。したがって、わいせつ行為が不特定多数の人の目につく可能性があれば、実際に目撃者がいなかった場合でも罪に問われる可能性があります。

そのため、飲み会の帰り道にある公園や路上で全裸になって寝てしまう行為も、公然わいせつ罪に該当しうることになります。

2、公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性は?

公然わいせつ罪の容疑で逮捕されるケースのほとんどが、目撃者の通報による現行犯逮捕です。しかし、全裸の状態で路上に寝てしまった場合、現行犯逮捕されていなくても、後日逮捕される可能性がないわけではありません。また、複数の目撃証言があるにもかかわらず犯行を認めていない場合や、共犯者がいる場合、証拠を隠滅する恐れがある場合などのケースでは、後日逮捕される可能性がさらに高まります。

ただし、公然わいせつ罪は、行為に対する罪であるため、被害者がいないことも多いですし、実質的な被害者は目撃者のみとなるケースも少なくありません。どちらかといえば地域の治安維持など、社会的法益に対する罪に分類されるため、刑罰も性犯罪の中では比較的軽いといえるでしょう。

3、後日逮捕までの流れ

現行犯逮捕は、逮捕状などの手続きの必要なく身柄を拘束できますが、後日逮捕される場合は、裁判所に逮捕状を請求することにより行われます。よって、後日逮捕される場合には、より入念な準備や証拠が必要となります。ここでは、後日逮捕されるまでの流れについて解説します。

事件が発生すると、警察がわいせつ行為の証拠を集めます。そして、十分な証拠が集まった段階で、警察は裁判所に逮捕状の請求を行います。逮捕状が発行されると、警察が容疑者のもとを訪れて逮捕に至ります。

逮捕に至るまでの期間については、法律上の決まりはなく、捜査の進み次第でいつになるかが決まります。捜査が滞りなく進む場合は、事件から1ヶ月以内で逮捕されることもあります。しかし、複雑な事件で捜査が難航するようであれば、事件から半年や1年たって逮捕されるケースもあります。

4、逮捕された後の流れ

罪を犯した可能性がある者を「被疑者(ひぎしゃ)」と呼びます。被疑者は、逮捕されると身柄を拘束されることになります。その拘束がいつまで続くかは、事件やそれぞれの状況によって異なります。ここでは逮捕後の一般的な流れを解説します。

  1. (1)警察に逮捕されてからの48時間

    被疑者は逮捕後、まずは警察署の留置場で、最長48時間身柄を拘束されます。この間に警察は、事件と被疑者の身柄を検察に送るかどうかを判断します。

    このときに微罪処分となれば釈放されますが、送検されると拘束が長引きます。この時点で外部と連絡を取れる携帯電話やスマートフォンなどは没収されるうえ、家族との連絡は禁止され、面会を許可されるのは、弁護士のみとなります。

    そのため、逮捕の連絡を受けた家族は、まずは弁護士の依頼や会社への連絡などの対応をすることになります。

  2. (2)送検されてからの24時間

    被疑者の身柄が送検されると、そこから24時間以内に「勾留(こうりゅう)」と呼ばれる措置が必要かどうかについて、検察が判断します。なお、逮捕から勾留に移行するまでの72時間は、弁護士以外の者が被疑者と面会することができません。

    勾留とは、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防止するために取られる措置です。勾留が必要と判断されると、検察官が裁判所に勾留請求を行い、認められれば、刑事施設で引き続き身柄が拘束されます。

  3. (3)最長20日間の勾留期間

    この時点での勾留は「被疑者勾留」と呼ばれ、この勾留期間が終わるまでに起訴されるかどうかが決定します。被疑者勾留の期間は原則10日間ですが、延長されると最長20日間勾留されることになります。

    ここまでで不起訴になれば、被疑者は前科がつくことなく身柄の拘束を解かれることになります。

    なお、起訴された場合は、呼び名が「被疑者」から「被告人」に変わります。刑事裁判まで継続して勾留されるときは「被告人勾留」という形で身柄が拘束されます。

  4. (4)被告人勾留

    起訴が決定した後も、身柄の拘束が必要と判断されると、被告人勾留に移行します。すでに最大23日間の身柄拘束をされていますが、起訴されてから裁判まで1ヶ月程度かかることが多いものです。つまり、被告人勾留期間まで合わせると2ヶ月近くの間、身柄を拘束される可能性があることになります。

5、後日逮捕される前にできること

公然わいせつ罪は、後日逮捕される可能性もある性犯罪です。逮捕されてしまうと、長期にわたり身柄を拘束されるケースもあり、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。

もし、逮捕された場合は、早期釈放や不起訴を狙う弁護活動が重要といえます。そのため、後日逮捕される前に弁護士に相談し、サポートを受けることをおすすめします。あらかじめ弁護士に相談しておくことには、多くのメリットがあります。

まず、実際の行為が公然わいせつ罪に該当するかどうかについて、専門家の目線で判断してもらうことができます。そして、逮捕前に適切なアドバイスを受けることで、精神的にも安心できます。

また、被害者がいる場合は、逮捕前に被害者と示談を成立させておくことで、早期釈放や不起訴が狙えます。

示談交渉は自分でもできますが、加害者が被害者と会うことは非常に難しいものです。専門家に示談交渉を依頼したほうが、スムーズに話し合いを進めることができるでしょう。

他にも、事前に相談しておくことで、万が一、後日逮捕されてしまったとしても迅速な弁護活動を受けることができます。また、起訴されてしまったときも、保釈を早期に申請したり弁護活動によって執行猶予を目指したりすることもできます。

事前に弁護士に相談しておくメリットは多々あります。万が一、逮捕されたとしても、日常生活への影響を最小限に抑えられるよう、さまざまなアドバイスを受けることができます。公然わいせつ罪に問われる心配がある場合は、早期に相談しておくとよいでしょう。

6、まとめ

今回は公然わいせつ罪で後日逮捕されたケースを想定し、逮捕された後の流れなどについて解説しました。

被害者がいる場合は、逮捕前に示談を成立させておくことで、早期釈放や不起訴を狙うことができます。また、逮捕から勾留にいたるまでの72時間は、家族であっても面会ができなくなりますが、弁護士ならば、面会可能です。もちろん面会時には、捜査に対してどのような対応をすればよいのかなどのアドバイスを受けられます。

公然わいせつ罪に問われる心配がある場合は、事前に弁護士に相談して示談交渉などのサポートを受けることが大切です。まずは、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスまでご相談ください。刑事事件対応の経験が豊富な弁護士が、適切なサポートをさせていただきます。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています