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国際詐欺の被害にあったら弁護士に相談。 送金したお金は取り戻せる?

2021年07月21日
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国際詐欺の被害にあったら弁護士に相談。 送金したお金は取り戻せる?

令和3年4月にSNSで知り合った女性に恋愛感情を抱かせて現金をだまし取ったとして、栃木、兵庫、新潟各県警の合同捜査本部は、詐欺などの疑いでカメルーン国籍の男女3人を逮捕したとの報道がありました。

このような恋愛感情につけ込んで現金をだまし取る手口は、国際ロマンス詐欺と呼ばれると呼ばれることがあります。この他にも、国際取引を装った詐欺などさまざまな国際詐欺の手口が存在しており、近年、国際詐欺の被害にあわれる方が増加しています。国際詐欺の被害にあってしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。

今回は、国際詐欺にあわないための注意点や国際詐欺にあった場合の相談先などについて、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスの弁護士が解説します。

1、国際詐欺とはどのような詐欺?

国際詐欺とはどのような詐欺なのでしょうか。以下では、国際詐欺の具体的な手口について説明します。

  1. (1)マネーロンダリング詐欺

    マネーロンダリング詐欺とは、海外の政府関係者や軍の高官など、信用性の高い立場であることを名乗る人物から、資金流用、賄賂、遺産相続などで得た裏金を送金するため、被害者に対し有償で銀行口座を貸してほしいと持ち掛け、資金送金のための手数料と称して、金品をだまし取ろうとする手口の詐欺です

    詐欺師からは、手紙、FAX、メール、SNSなどを通じて連絡がくることが多く、海外でのビジネス実績や知人の紹介などを理由に接触を図ってきます。最近では、SNSを通じての接触も増えてきており、事業者だけでなく一般の方の被害も増えてきています。

  2. (2)架空貿易取引詐欺

    架空貿易取引詐欺とは、「ウェブサイトで会社概要や取扱商品などを見た」、「知人から貴社のことを紹介された」などと切り出し、通常の貿易取引を装いながら、多種多様な商品の大量発注を持ち掛け、手数料や税金、印紙代、弁護士費用などと称してお金や商品をだまし取ろうとする手口の詐欺です。

    商品をだまし取る手口では、商品を発送したにもかかわらず、代金の入金がないままになる、あるいは、偽造や盗難の小切手が送られてきて決済不能となります。

  3. (3)国際ロマンス詐欺

    国際ロマンス詐欺とは、SNSや出会い系サイトなどを通じて知り合った異性に対して、外国人を装い交際や結婚を申し込むなどして相手に恋愛感情を抱かせて、さまざまな名目でお金の送金をさせるという手口の詐欺です。

    職業としては、軍人、医師、国連職員などを装って接触を図ることが多く、お金を送金させる名目としては、秘密資金の送金手数料、税関で差し押さえられた物品の関税や解除金、日本に渡航するための渡航経費などが挙げられます。

2、国際詐欺の被害にあわないための注意点は?

国際詐欺は、被害にあわないための対策が何よりも重要となります。国際詐欺の被害にあわないためには、以下の点に注意するようにしましょう。

  1. (1)うますぎる話にはのらない

    国際詐欺の事案では、突然に大量の商品を購入したいなどのもうけ話を持ち掛けられることがあります。また、秘密資金を送金するための口座を貸してくれれば、謝礼として秘密資金の一部を支払うなどのもうけ話もあります。

    これまで何の取引もなかったところから、突然、好条件の取引を持ち掛けられたり、何の見返りもないような、もうけ話を持ち掛けられた場合には、一度冷静になって詐欺を疑ってみる必要があります。資金繰りが苦しい状況で、そのようなうまいもうけ話を持ち掛けられてしまうと、冷静な判断ができずに飛びついてしまいがちですが、国際詐欺にあわないようにするためには、冷静に判断することが重要です

  2. (2)よく知らない人に送金したりお金を渡したりしない

    金銭を送金する場合には、普段から取引のある方、身元がはっきりしている方など信頼できる相手かどうか、よく確かめてから送金をするようにしましょう。相手は信頼性の高い職業を名乗ることもありますので、身元を確認できれば大丈夫と思い込まないことも重要だと覚えておきましょう。

    国際詐欺では、海外のよくわからない業者や個人名義の口座に送金を求められることがあります。提供された送金先が本当に実在する企業や団体であるかどうかをよく確かめてから送金をするようにしましょう。メッセージをやり取りしている相手とは異なる名義の口座に送金を求められた場合には、詐欺の可能性を疑ったほうがよいかもしれません。

  3. (3)恋愛感情があっても冷静になる

    国際ロマンス詐欺の手口では、被害者の恋愛感情に巧みにつけ込んで金銭を要求してきます。相手に対して恋愛感情を抱いていると、怪しい作り話であっても真実であるように錯覚してしまうことがあります。仮に、相手のことを疑ったとしても「そんなことをするはずがない」などと考え、深く追求しないこともあります。被害者を最も深く傷付けるという意味では、最も罪深い詐欺といえるかもしれません。

    恋愛感情を抱いているご本人では冷静な判断を下すことは難しいといえますので、友人や家族など信頼できる方に相談をするなどして客観的意見を求めることが重要です。交際相手から金銭を要求されることがあった場合には、国際詐欺を疑って、第三者の意見を求めるようにしましょう。

3、国際詐欺の被害にあったときにはどこに相談できる?

国際詐欺の被害にあってしまった場合には、以下の機関に相談をすることができます。

  1. (1)警察

    国際詐欺の被害にあってしまった場合には、最寄りの警察署に相談をして、被害届を提出することができます。

    しかし、国際詐欺では、詐欺の加害者が外国に居住している場合には、日本の警察では対応をすることができないことが多いです。また、警察では、犯罪行為の捜査を目的としていますので、被害者が国際詐欺によって奪われてしまった金品を取り戻すことはしてくれません。

  2. (2)消費生活センター

    各地域の消費生活センターでは、商品やサービスなどの消費生活全般に関する苦情や消費者詐欺被害などの相談について、専門の相談員が対応し、公正な立場で処理にあたっています。消費者ホットラインなど専用の相談ダイヤルを設置していますので、詐欺被害を疑った場合には利用してみるとよいでしょう。

  3. (3)弁護士

    国際詐欺によって金品をだまし取られた場合には、被害者としては被害の回復を図りたいと考えるはずです。警察では、詐欺の加害者を逮捕するなどの刑事上の対応をしてくれますが、金品の返還を求めるといった民事上の対応はしてくれません。

    しかし、弁護士であれば、被害者の代理人として、被害回復に向けた民事上の手続きをとることが可能です。また、警察への被害届提出などの手続きや警察署への同行など刑事手続きに関する対応も可能です。

    国際詐欺による被害回復をお考えの方は、まずは弁護士に相談をしてみるとよいでしょう。

4、国際詐欺の損害賠償を請求するなら弁護士に相談

国際詐欺の被害にあった場合には、できるだけ早めに弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)国際詐欺の犯人は日本在住であることもある

    国際詐欺という名称から国際詐欺の犯人は、海外に在住する外国人であると考える方も多いかもしれません。しかし、国際詐欺の逮捕報道を見ると、日本在住の外国人が犯人であったり、日本在住の日本人が外国人を装ってだましているというケースもあります

    そのため、国際詐欺の被害にあったからといって、だまされて奪い取られた金品を取り戻すことができないと直ちに諦める必要はありません。

  2. (2)弁護士であれば被害回復に向けた対応が可能

    国際詐欺に限らず、詐欺被害にあった場合には、できる限り早い段階で被害回復に向けた対応を行う必要があります。詐欺グループは、被害者から奪い取った金銭をすぐに別の口座に移すなどして、詐欺被害者が被害回復を図ることを妨害してきます。

    また、他にも多数の被害者がいることも多く、他の被害者が被害の回収に動いた後では、回収することができる資金が残されていないこともあります。

    弁護士であれば、詐欺などの犯罪で銀行口座が利用された場合には、振り込み詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配当金の支払等に関する法律)に基づいて、銀行口座を凍結させる手続きをとることができます。銀行口座を凍結することによって、被害にあった金銭を取り戻すことが可能になる場合もありますので、いち早く手続きを行う必要があります。

    そのほかにも、弁護士に依頼をすることによって、日本や海外の裁判所を利用して損害賠償請求をすることによって被害の回復を図ることもできますし、刑事告訴の手続きをすることによって刑事事件としての捜査の端緒を、捜査機関に与えることができます。

5、まとめ

国際詐欺の被害にあってしまうと、だまし取られてしまったお金を全額回収することは難しいことが多いです。そのため、国際詐欺にあわないための対策を十分に講じることが何よりも重要となります。それでも、被害にあってしまったという場合には、すぐに弁護士に相談をして、被害回復に向けた対応をしてもらうとよいでしょう。

国際詐欺の被害にあってしまったという方は、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスまで早めにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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