相手方の有責性(悪意の遺棄)が認められ、離婚を阻止した事例
- cases109
- 2017年01月23日更新
- 40代
- 女性
- 会社員
- 離婚
- 訴訟
- 慰謝料請求
- 財産分与
- 悪意の遺棄
- ■婚姻期間 10年~15年
ご相談に至った経緯
夫婦共同で自営をしていたが、夫が突如家を出て別居を開始し、その後離婚を求められた。
ご相談内容
突如家を出ていかれ、夫婦でこれまで一生懸命営んできた自営業(飲食店)の閉店も余儀なくされて生活基盤を失った。このような状況で突如離婚を求められ、納得できないし今後の生活もどうすれば良いか分からない。
ベリーベストの対応とその結果
このような事案に対し、夫婦関係の破綻を否定するとともに、仮に破綻しているとしても破綻の原因はもっぱらBさんにあるのであり、そのような有責配偶者からの離婚請求は認められないとして争った。
Bさんは、自営業の収支関係を教えてもらえず、また日常的に威圧的な態度で罵られていたなど主張したが、本人尋問等を経てこれらの主張の信用性を争い、信用できないとして排斥された。
他方Aさんは、Bさんが突如別居を開始したことを正当化する事情はなく、これによりこれまで順調だった自営業を閉店せざるを得なくなったうえ、Bさんは婚姻費用も支払っていないのであり、一方的に生活基盤を奪われたのであって、このような事情は「悪意の遺棄」に該当すると主張した。
裁判所は、Aさんの主張を全面的に認め、Bさんによる「悪意の遺棄」を認定し、離婚請求と慰謝料請求の全部を棄却した。なお、従前暴力や暴言を受けていたのは自分(ご相談者Aさん)であることも併せて主張しており、このことも理由中の判断において認定された。
本件はBさんから控訴が提起されたが、控訴審では慰謝料に加え、自宅不動産の分与を受けるなど有利な条件で和解が成立した。
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