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お金の無心をしてくる「毒親」に対処する方法や、債務整理の方法を解説

2023年07月31日
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お金の無心をしてくる「毒親」に対処する方法や、債務整理の方法を解説

栃木県内では、昭和47年に、長年に対して暴行や強姦を繰り返していた父親を娘が殺害する「栃木実父殺し事件」と言われる事件が起きました。
当時の刑法では第200条によって親等を殺害することは「尊属殺重罰規定」によって無期懲役や死刑と規定されていましたが、この事件では事情を考慮して最高裁で懲役2年6か月、執行猶予3年という判決が下されました。また、この事件は尊属殺重罰規定そのものの見直しにもつながったのです。

近年では「毒親」や「親ガチャ」という言葉が流行しているほか、「宗教二世」の問題も注目されており、「子どもは親を選べない」「親のために人生を台無しにされた子どももいる」という認識を多くの人が抱くようになりました。
親による虐待や抑圧は、身体的・精神的な暴力のほかにも金銭に関わるものであることも多々あります。
もし、「毒親」だと思っている父や母からお金を無心されたために借金を背負ってしまった場合には、債務整理を検討しましょう

本コラムでは、お金の無心をしてくる親から逃げる方法や搾取されないための対策、債務整理の方法などについて、べリーベスト法律事務所宇都宮オフィスの弁護士が解説します。

1、毒親とは? どのような行為が該当する?

「毒親」という言葉は「子どもの人生を支配しようとして、子どもに害悪を及ぼす親」のことを指します。なお、「毒親」は医学用語でも法律用語でもない「俗語」です。
アメリカのセラピストであるスーザンフォワードの著書「毒になる親 一生苦しむ子ども」やエッセイ漫画家の菊池真理子の著書「「酔うと化け物になる父がつらい」「毒親サバイバル」などを通じて、多くの人が「毒親」の存在を認知するようになりました。また、最近では「親ガチャ」という言葉や宗教二世の問題に関連するものとして、毒親の問題もさらに注目されるようになっています。

一般的には、子どもに対して過度の干渉や無視、暴力、暴言、性的搾取を行い、その人格や人生、金銭や労働力を搾取し、支配しようとする親が毒親と呼ばれています。

2、子どもは絶対に親にお金を渡さないといけない?

子どもが成長すると、子どもの収入の一部もしくは大半を渡すように要求する親も少なくありません。毒親に苦しむあなたも、親に逆らうことができずに我慢し、搾取され続けているのではないでしょうか。

法律上、親子関係における金銭の援助については、民法第877条によって「直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定されています。直系血族とは、親子、祖父母などの縦のつながりがある親族のことです。原則、親は子どもを、そして子どもは親を扶養する義務があると判断できます。

したがって、実家で暮らしている場合や、親が生活に困窮している場合は、子どもが生活費を支払うことは、当然あるでしょう。しかし、子ども自身の生活に支障をきたさないレベルを保つことが一般的です。

つまり、親から常軌を逸した金額を要求されたとしても、あなた自身の生活を犠牲にしてまで応じる必要はありません。自身の収入の大半を渡すように請求されている場合は、断固拒否してください。ご自身で拒否できなければ、弁護士に相談するなどして法的措置をとることも検討するとよいでしょう。

3、毒親と縁を切る方法とは?

いくら拒否をして距離を置いても、ストーカーのようにつきまとってきたり、職場などへ連絡をしてきたりする親に悩んでいる方もいるかもしれません。そのようなとき、縁を切るためにできることはあるのでしょうか?

  1. (1)未成年の方が毒親と縁を切る方法

    あなたが未成年者であれば、裁判所に親権喪失や親権停止の申し立てを行うことで、親の権利を喪失させることが可能です。民法第834条および同条の2によって「子の利益を(著しく)害するとき」親権喪失や停止の審判を行うことができると定められているためです。これらの手続きは、子ども本人や親戚、未成年後見人などが行うことができます。

    しかし、たとえば親権を制限することを裁判所に訴えたとしても、容易に認められるわけではありません。平成29年で実際に行われた親権制限事件のうち、実際に親権制限が行われたケースはたったの27.1%という結果となっています。

    そこで現実的には、子ども自ら児童相談所に状況を話して、保護を訴えるのがベストといえるでしょう。児童福祉法第28条では、保護者が児童を虐待したり監護を怠ったり、保護者に監護させることが当該児童の福祉を害する場合、保護したり指導することが定められています。近年では、毒親による支配や虐待から逃れるために、児童相談所に相談する子どもが増え、実際に保護される例もあるようです。

    一般的には「子どもを思わない親はいない」と考える大人が多く、なかなか難しいかもしれません。しかし、信頼できる周囲の大人に相談することが大切です。

  2. (2)成人されている方が毒親から縁を切る方法

    成人している場合は、児童相談所での保護は不可能です。したがって、自分で関係を断ち切る必要があります。

    具体的には、物理的に毒親から離れる、連絡先を教えない、勤務先などの情報も伝えないことを徹底しましょう。毒親があなたの情報を耳にすることが不可能な距離に引っ越し、毒親と関係している親戚などとの連絡も絶ちます。その上で、住民票の閲覧制限の手続きを行えば、引っ越し先を特定されないようにできるでしょう。

    また、裁判所に面談禁止や接近禁止などの「仮処分命令」を請求することも可能です。ただし、仮処分命令を出してもらう条件には、「著しい損害又は緊急の危険を避けるために必要な場合」と規定されています。実際に、損害や緊急の危険があるという証拠を提出しなければなりません。ご本人が行うのは難しい手続きになりますので、弁護士に相談することをおすすめします。

4、保証人にならないほうがよい理由と負ってしまった借金の整理方法

毒親は、子どもに対して借金をしてでもお金をよこせと要求したり、借金の保証人になるように求めてくることが少なくありません。「子どもは親を助けることが常識だ」としつこく迫られれば、親に渡すために借金をせざるをえない、もしくは保証人にならない道はないように思ってしまうものです。

しかし、保証人には決してならないでください。すでに負ってしまった借金はどうしたらよいのかについても知っておくべきでしょう。

  1. (1)保証人になる危険性

    保証人になってしまうと、親が返済を滞ったとき、あなたが返済をしなければならなくなるためです。親の借金を肩代わりして、返済が苦しい状態に陥ってしまうケースは多々あります。この状況で借金の支払いから逃れるためには、個人再生や自己破産などの法的措置を行わなければなりません。

    また、親が勝手に子どもを保証人にするケースもあります。その場合は1円も返済する必要はありません。もし、少しでも払ってしまうと、保証人となったことを認めたことになってしまいます。身に覚えのない借金の督促が届いたときは、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

    事態が発覚したときは、該当の借金の保証人にはなっていないことを速やかに証明しなければなりません。中には、親が勝手に子どもを保証人にしたことを知りつつ契約し、お金を貸す業者も存在します。そのような相手に、個人で対応することは困難でしょう。できるだけ早く弁護士に依頼してください。

    このようなトラブルに遭うことを避けるための方法が、ないわけではありません。住所や電話番号、勤務先の情報など保証人になるために必要な情報を親に知られないことです。特に実印などを絶対に持ち出せないようにしておくことが非常に重要となるでしょう。

  2. (2)返済が難しくなったときは債務整理を

    これまで親に頼まれるがまま、拒めず、すでにあなたの名義で借金を重ねてしまったという方もいるでしょう。たとえ自分では一銭も使わず、親にそのまま借りたお金を渡していたとしても、契約の名義があなたであれば、あなた自身が返済を続ける義務は残ってしまいます。

    あなた自身の借入額が高額となり、返済が難しくなったときや、督促に苦しめられているのであれば、あなた自身が債務整理を行うことをおすすめします。債務整理とは、借金の返済額を減額したり、借金の返済そのものを免除してもらったりする法的な手続きを指します。

    債務整理には、大きく分けると任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法がありますが、いずれの方法もメリットとデメリットがあります。あなたの状況に適した債務整理方法は、弁護士に相談して決めることをおすすめします。

    弁護士に債務整理を依頼することで、消費者金融などからの督促が一時的に止まるというメリットもあります。ぜひその間に新しい生活の準備を進めてください。

5、毒親の遺産の受け取りを拒否する方法

他方、裕福でもあなたを支配下に置いて、言うことを聞かせようとする毒親もいます。そのようなケースでは、「親の遺産は相続したくない」と考える方もいるでしょう。

そこで、毒親の遺産を相続しないための方法を解説します。

  1. (1)遺言書に相続させない旨を明記してもらう

    手続きが簡単なのは、親に遺言書に相続させない旨を明記してもらうことです。ただし、親自身に遺言書に記載してもらうことは非常に困難でしょう。現実的ではありませんが、あなたを金銭的にネグレクトしてきた親であれば有効かもしれません。

  2. (2)相続放棄の手続きを行う

    毒親が亡くなった際に、相続放棄の手続きを行うことで財産だけでなく借金を相続してしまう事態も避けることができます。

    相続放棄の手続きは、親が亡くなってから3か月以内に行う必要があるため、死亡したら素早く着手しましょう。相続放棄の必要書類は以下のとおりです。

    • 相続放棄申述書
    • 親の戸籍の附票、住民票除票、戸籍謄本
    • 相続放棄する方の戸籍謄本


    親が死亡してから3か月といえば、意外と時間があるように思うかもしれません。しかし、最終的にどうするのかによってさまざまな手続きが求められます。時間は、思いの外あっという間に経過してしまうものです。戸籍関係の書類は、特に、各種遠方で取り寄せる場合は1週間ほど時間がかかりますので、亡くなった時点で手続きに着手しましょう。

    個人で行うのが難しいと感じる方や、書類の取り寄せが難しい方、相続放棄申述書を作成する暇がないという方は弁護士に相談するとよいでしょう。

  3. (3)生前に遺留分放棄の審判を行う

    親が生きている間に、裁判所に対して「遺留分放棄」の申し立てを行うことで、遺留分の受け取りを拒否することができます。遺留分とは民法で認められた最低限の遺産を相続する権利です。生前に行う場合は、裁判所の許可が必要ですが、死後に行う場合は不要です。

    どうしても毒親が生きている間に手続きをしておきたいという方は、弁護士に相談した上で遺留分放棄の審判を申し立てましょう。

    自分で遺留分放棄の手続きを行う場合に必要な書類は以下のとおりです。

    • 申立書
    • 親の戸籍謄本
    • 本人の戸籍謄本

6、まとめ

毒親による支配は、子ども時代だけにとどまらず成人してからも続きます。大人になってからも結婚に口を出す、金銭を要求する、など子どもの人生を利用しようとするケースがほとんどです。

毒親の支配から逃れるためには、専門家に相談すること、断固とした意志を持って接触を断つことを徹底することです。成人前であれば、必ず味方になってくれる大人や児童相談所に相談して保護を求めてください。ひとりで悩まずに、周囲を頼りましょう。
借金問題など、法的措置が必要かもしれないと感じたときは、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスで相談してください。法律の知見豊かな弁護士が親身になってお話を伺い、最適な対策をアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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