養育費の相場ってどのくらい? 養育費を少しでも多くもらうための基礎知識

2019年08月14日
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養育費の相場ってどのくらい? 養育費を少しでも多くもらうための基礎知識

子どもがいる夫婦が離婚する場合、親権をどちらが獲得するのか、養育費はどうするのかについて争いになるケースが多々あります。宇都宮市でも、ホームページ上で養育費や面会交流重要性を明記しているほか、相談支援を行っているようです。

親権を獲得した親としては、養育費を獲得することで子どもの成長に必要な資金を確保できるという安心感を得られるでしょう。とはいえ、養育費の相場がどのくらいなのか、養育費だけで子どもを育ててけるのだろうかと不安に感じているのではないでしょうか。

本コラムは、親権を獲得して相手から養育費を獲得したいと考えている宇都宮にお住まいの方に向けて、養育費の相場などの基礎知識について解説します。

1、養育費とは

養育費とは、未成年の子どもが健全かつ文化的に成長するために必要とされる費用です。養育費は親の扶養義務を根拠とするものであり、子どもが成人するまで支払う義務があります。あくまでも子どものためであり、親権を持つ者のために支払われるお金ではない点に注意が必要です。

具体的には、以下のような費用が養育費として認められています。
•子どもの衣類や食費、住居費
子どもが健全な生活を送るための衣食住にかかる費用
•社会人として働き始めるまでの教育費
学校や塾などへ払う入学金や授業料、教材費、制服を購入する費用、学校のクラブ活動にかかる費用
•健康に生きていけるため必要な医療費
子どもが体調を崩したときに病院にかかる費用、ケガや病気の治療費
•子どもが社会人になって自活するまでにかかる必要経費
ひとり暮らしを始めるための住居費や就職活動にかかる費用など

これらの費用は生活水準によって差がありますが、親の生活レベルを参考にして決められます。なお、親権を持つ親の生活費は養育費に含まれないということにも留意しておきましょう。

2、養育費はどのように決まるのか

親権を獲得すると養育費を請求する権利者になります。しかし、養育費が決まる要素を知っておくことは非常に重要なことです。

本項では、養育費が決定されるまでの手続きについて解説します。

離婚そのものは、まずは夫婦間の話し合いによって協議離婚を目指すことになるでしょう。そのときに親権者を決めるとともに養育費をいくらにするかについても話し合われるのが通常です。

協議離婚が成立しなければ、家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行います。家庭裁判所の調停委員が夫婦の間に入って、話し合いが行われますが、調停が成立する場合は養育費についても取り決めます。

調停が不成立となると、最後の手段として離婚審判か離婚裁判を起こします。離婚審判は家庭裁判所へ申し立てますが、離婚裁判は地方裁判所へと提起します。審判か判決により最終決着するとき、養育費は裁判所の基準で算定されます。

3、養育費の相場ってどのくらい?

まず、養育費を支払う側を「義務者」といい、養育費を受け取る側を「権利者」といいます。養育費を受け取る権利者としては、相場がどのくらいか気になるでしょう。ところが、養育費は、毎月支払う義務者の収入などを考慮して算定されるため、簡単に「相場はいくら」とは言いにくい面があります。また、協議離婚の話し合いの中で夫婦が自由に決定することも珍しくないのです。

しかし、ある程度の目安として、裁判所が利用している養育費算定表により計算することはできます。ベリーベスト法律事務所でも、養育費算定表を基準とした養育費計算ツールを用意しています。条件を入力すると簡単に養育費を計算できます。ぜひ利用してみてください。

4、できるだけ多く養育費をもらう方法

子どもの親権を得るとすれば、子どもの将来のためにできるだけ多くの養育費を獲得したいでしょう。

ここでは、できるだけ多く養育費をもらう方法について解説します。

  1. (1)子どもの教育費がかかることを主張する

    子どもが日常生活を送るための生活費は養育費の中でも重要な割合を占めますが、同様に、十分な教育を受けるための「教育費」も重要です。

    子どもが幼いうちは幼稚園や保育園に通うための保育料がかかります。義務教育の間、授業料はかかりませんが、制服代やクラブ活動の費用、塾の授業料などは必要です。進学する学校が公立か私立かで授業料には大きな差が生じますが、養育費を支払う義務者の学歴を基準に認定されます。

    義務者と同じくらいの教育を受けられるだけの金額が原則です。これらを総合的に判断して、子どもの教育にお金がかかることを主張していくことがポイントになります。

  2. (2)子どもの教育費が今後いくらかかるのかを計算しておく

    子どもの教育費がかかることを主張するとしても、漠然とした主張では話が通りません。今後どのくらいの教育費がかかるのかを計算しておきましょう。

    子どもにどういう教育を受けさせるのかを具体的に書面に示して、費用の相場を提示することをおすすめします。

    たとえば、以下のように書いておくといいでしょう。

    • 「○○幼稚園」に通わせる保育料、年間~~円
    • 小学校4年生から進学塾に通わせる授業料、年間~~円
    • 中学、高校、大学に通わせる際の授業料、~~円
    • 進学塾費、~~円
  3. (3)配偶者の収入がいくらなのかを知っておく

    自分が親権者になって養育費を受け取る権利者となる前に、配偶者にどのくらいの収入があるかを把握しておきましょう。

    養育費の算定では、義務者と権利者の収入によって、金額が上下します。したがって、あらかじめ経済状況を把握しておくことは、適切な養育費を受け取るためにも必要なことです。

    養育費の支払い義務者が給与所得者であれば給与明細、自営業者であれば確定申告書の控えなどを一緒に住んでいる間にチェックしておきましょう。また、話し合いを進める際には、あなた自身の所得についても明確にできるよう準備しておいたほうがよいでしょう。

5、まとめ

夫婦間で離婚の話を進めているときは、親権を獲得することばかりに意識がいきがちです。しかし、離婚後に子どもとの生活がスタートすると、養育費の大切さがわかります。養育費は子どもの将来を左右する重要なものなので、しっかりと獲得したいところです。とはいえ、夫婦間の話し合いがまとまらなければ法的手続きで解決するほかないので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

親権を獲得して、相手からしっかりと養育費を獲得したいとお考えの方は、ベリーベスト法律事務所 宇都宮オフィスで相談してください。個々の事情を主張し、宇都宮オフィスの弁護士ができるだけ多くの養育費をもらえるよう、尽力いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています